Acer Aspire L3600-A10を修理する その6 BIOS ROM復旧実践編
ついにROMライタが到着したのでL3600のBIOSチップを読み出すことにした。
到着したROMライタ
本体及び付属品一式
PCにROMライタのアプリをインストール後ROMライタのファームをアップデートし正常に終了した。
ついでにROMライタのアプリの言語設定に日本語が無いので適当に日本語iniファイルを作成して適用した。
下が日本語化したROMライタのアプリ画面
ROMライタ側の準備は完了したので早速L3600からBIOSチップを取り外す。
下がBIOSチップ取り外し前
取り外し後
ROMライタへBIOSチップを取り付け読み出し準備を行う。
ROMライタのソフトウェアでBIOSチップタイプを設定後に現状のBIOS ROMの内容を読み出して保存、メーカのBIOS ROMファイルと比較確認を行った結果、大きな差異があることが分かった。
具体的にはROMアドレス0x50000-0X57FFFのアップデート用ROMファイルのデータが実際のROMには書き込まれていなかった。
画像左がアップデート用ROMファイルのデータで右が読み出したBIOSチップのデータとなる。
色がついている部分が相違のある個所。
他には読み出したROMデータには0x5C000から0x67FFFの領域にモデル名やS/NなどのL3600の機器固有データと思われる情報が残っており、BIOSアップデートツールはこのエリアの書き換えはしていないと思われる。
これはWindows上から実行して失敗したBIOSアップデートツールが表示していたBIOS書き換え中のメモリマップでもこのエリアと思われる部分をスキップして書き換えていた様に見えた。
この状況から恐らくWindows版BIOSアップデートツールは0x5000-0x67FFFのデータエリアを書き換え対象外としてBIOSチップに書き込みしなかった為BIOSデータが欠けた状態となり起動できなくなっていたと考えられる。
但し0x5000-0x5BFFF部分を読み出したBIOS ROMファイルに移植してBIOSチップに書き戻してもPCは起動しなかった。
その為メーカ配布のBIOS ROMファイルに実機ROMから読みだした0x5C000-0x67FFFのデータを移植した改造BIOS ROMファイルを作成しROMライタから書き込みを実施、PCにBIOSチップを戻して起動確認を実施した。
その結果PCのBIOS画面が正常に起動することを確認できた。
しかし機器固有情報は反映されておらず、モデルもVeriton L460に変わっていた。
この状態から正規のアップデート用BIOS ROMファイルを使ってDOSよりBIOSアップデートを行ったが状況は変わっていなかった。
一つ古いファームに落としても同様であった。
またBIOSの固有情報が消えた影響かWindows7が未認証状態に戻っており再認証する必要があった。
それ以外はPCを使用した限り特に問題はなかった。
とはいえモデル名が違ったり固有情報が消えているのは個人的に嫌な気分なのでこれを修正することにした。
修正はAMIが配布するMMTOOLを用いて行った。
注:現在このツールは配布されていない。
MMTOOLでBIOS ROMファイルを読み込み、修正対象であるSMBIOSデータをファイルとしてExportする。
次にExportしたファイルをバイナリエディタで修正し保存した。
左が修正後で右が修正前。
最後に修正したファイルをMMTOOLからBIOSのSMBIOS部分にReplaceで書き戻してBIOS ROMファイルを保存し修正は完了。
あとは修正したBIOS ROMファイルをDOSからBIOSチップへ書きこみすればOKである。
再起動後にBIOS画面から修正が反映されたことを確認した。
厳密にいえばまだSMBIOS情報で復旧できていない部分があるが、BIOS画面からは見えないのと復元するための情報が無いので空欄としている。
運用上問題ないので取り合えず当初の目的であったBIOS ROMの復旧は完了とした。
今後の予定としてはCPUのCore2Duoへの換装と電源アダプタの調達である。
実はもう電源アダプタについてはジャンク扱いで店頭で999円で投げ売りしていた19.5V 7.7Aの物が都合よく見つかったので購入済み。
所定の電圧が出ていることを確認しているのだがDCプラグ部分の形状が合っていないので何とかする予定。
CPUに関してはAMIのツールでBIOS ROMに埋め込まれたCPU別のマイクロコードが確認できるのでそれを見てどの辺りまでのCPUに対応可能か確認してから決める予定。
多分E7X00やE8X00辺りは搭載したモデルがあったはずなので動くはず。
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